趣味で稼ぐのに一番重要なのはアウトプットの習慣『明日クビになっても大丈夫』【書評】

本当は、「明日クビになってはいけない」ことを教えてくれる本

『明日クビになっても大丈夫』書籍画像
 
 
あれ?内容は全然「明日クビになっても大丈夫!」ではありません。なんじゃこりゃ?というのが最初の印象。
タイトルから、かなり破天荒なことが書いてあるのかと思ったら、裏切られました。でも、いい意味でなんです。
 
著者の「ヨッピー氏」は、間違いなくWebライターの中でも最も著名なライターの1人です。
その「ヨッピー氏」が、どのようにして好きなことをしながら楽しく食べられるようになったのかが書かれている著書です。
本来、好きなことを思い切ってやって稼いでいくのは再現性があまりないはずです。
その「好きなことで食べていく」ための考え方やプロセスの中から再現性のある部分を取り出しているのが本書の一つの特徴です。
 
特にキーになるのが以下の2点
・「生産する趣味」と「消費する趣味」の違い
・「収入の谷」への準備
 

フリーランスとして、一つの極みに達しているヨッピー氏の戦略や実際に取った行動がわかる

 
著者は、フリーランス的な稼ぎ方としては明らかに、1つの成功モデルに到達しています。本書では、実際にどのようなステップで著者が仕事をとれるようになったのか、どのようなタイミングで独立したのか、クライアントから仕事を取っているのかなど、具体的な金額は伏せてはあるものの、かなり赤裸々に書かれていて、実際に読者もできるかは置いておいても、それらを知ることができるだけでも大きな価値があります。
 
あと、ただ読み物としてよんでも面白いです。筆力のある方の文章です。役に立つ立たないを超えて(もちろん学びは多いのですが)、この著者のストーリーとして面白いですね。これも本書のいいところです。
 
著者の面白いエピソードや、著者ならではの体験が散りばめられているので、独特の成功法のように勘違いしてしまいそうですが、エッセンスは大変ロジカルで、戦略的なものであることに驚きます。
また、誰のために仕事をしているのかという仕事への姿勢も一貫しています。
 

好きでしょうがない素人は、プロを超える

 
破天荒に見える著者のプロフィールに対して、本書の内容は、実際は非常に堅実です。
すぐに会社をやめて起業準備しようとか、すぐに稼ぎに繋がる仕事を副業ではじめよう、といったものではありません。
むしろ、会社での稼ぎをしっかりありがたく頂戴しながら、「仕事になり得る趣味」に戦略的に取り組もうという内容です。
 
共感できるのが
 
※P57引用
結局のところ、「嫌々やっているプロ」と「好きでしょうがない素人」が勝負したら素人が勝つことの方が断然多いのではなかろうか。
 
※P66引用
「会社を辞めて、本気で取り組まないと専業には勝てない」みたいな事を言う人もいるけど、あんなのは完全にウソっぱちなので無視しておけばいいと思う。
 
 
また、やりたいことについても、著者は「生産する趣味」と「消費する趣味」と、趣味の概念を分けています。
 
 
*P79引用
要するに「その趣味を通じてお金が稼げるようになる可能性がある、もしくは新しい人と知り合う可能性があるもの」がつまり「生産する趣味」で、逆に「その趣味を通じてお金が稼げるようになる可能性がなく、新しい人と知り合う可能性もないもの」が「消費する趣味」となる。
 
(中略)
 
大事なのは消費して満足して終わり、ではなく、何らかの「アウトプット」を世に出し続ける事である。
 
 
これらを続けることで、ファンや仲間が増えてきたらお金が貰える機会がやってくるというのが著者の主張です。
この部分が、本書では「好きなことで食べていく」ための考え方のキモとでも言える部分で、以下の記事ような「好きなこと」と「稼げること」が一致する場合としない場合があるという問題で、延々と悩み続けている人たちへの一つの回答になります。
 
 
要するに、あなたが好きなことをアウトプットしまくって、それで人がついてくるようだったら、お金を稼ぐことに繋がるということです。
逆に、「アウトプットしても誰も反応がないようなもの」、「好きだけどアウトプットする気になれないもの」は、稼ぐところまでは到達できない、非常にシンプルな法則です。
 
この「アウトプット」と「稼ぐ」の関係は、昔から変わっていなかったのですが、近年インターネットの力で「アウトプット」の部分が劇的に変化しました。SNSやブログなどを中心に、ほとんどの人が自分の好きなものを「アウトプット」して他人に見てもらうことや、意見を貰うこと、コミュニケーションを取ることが可能になったのです
今、「好きなことで食べている人」が明らかに増えてきているのは、インターネットによって「好きなことをアウトプットしやすくなった」影響が大きいでしょうし、まさに著者が提示するこの法則と符号すると考えています。
 
少し展開すると、ただ好きなことを「アウトプット」するだけでなく、好きなものを「アウトプットしてファンができるようなものにマーケティングする」必要があるのでしょう。
 

好きなことを見つけてもすぐに会社を辞めてはいけない

 
さて、好きなことを見つけたから、さあ会社を辞めていいのかと思ったら、会社を辞めるには3つの条件が揃ってからにするべきだと言っています。
 
会社を辞めてていい3つの条件
・会社員をしながら、副業で月に10万円以上稼いでいる事
・1年間生活出来るだけの貯金がある事
・身軽になる事。
 
なぜ、この3つなのか、詳細は本書を読んでほしいのですが、好きなことで食べていこうとすると必ず訪れる「稼げずの谷」を乗り越えるためということです。
そう、この著書は、「明日クビになっても大丈夫」ではなく、「3つの条件がそろうまで明日クビになっちゃダメ」という、極めて堅実な内容だったりするのです。
 
本書で出てくる「稼げずの谷」という話も、自分自身以外にも苦労してきている人たちをたくさん見てきている著者の優しさなのだろうと思います。
とはいえ、実際のところ一番大変な谷は、稼げずの谷より、好きなことを発信して支持してくれる人たちができるまでの谷で、そこが、一番再現性が低いところだと思います。それが、できるなら、文字通り明日クビになっても大丈夫です。
 
ちなみに、私は何も準備しないで会社をやめて、独立したらものの見事に自己破産寸前になってしまったので、我が身に照らして頷くしかありません。
 
 
さて、ここで「生産する趣味」が見つかってきたら、それをどのようにマネタイズしていけばよいのか、仕事として売上を増やしていけばいいのか、そのための考え方も本書では開陳されています。
 
また、ライバルが現れてきても勝ち続けるための戦略なども書かれていて、実際に著者が、自分より才能がある(と思われる)人たちが出てきてしまったときどのように考え、どのように行動したかも書かれています。
こういった部分を見るにつけて、本当に著者は頭のいい人なんだなぁと思います。
 

著者の個別の体験と、再現可能な部分をきちんと分けて読めれば、必ず役に立つ本

 
本書「明日クビになっても大丈夫」は、「とにかくまずは行動しよう」みたいな主張の著書のように感じてしまいます。(実際に、いろいろ理屈を考えるといつになっても動けないので、プッシュしているのでしょうが。)
実際には成果を出すための基本的な思想や考え方がちりばめられているし、しっかり頭を使ってステップを踏むように書かれていますので、そこを読み飛ばさないようにして欲しいというのが私の感想です。
 
まず、最初の一歩を踏み出していない本書のターゲットになる「ふわふわ会社員」にとっては、とりあえず「好きなことを探してアウトプットとするのね」くらいの結論になってしまいそうですが、好きなことをアウトプットするのに、トライ・アンド・エラーで考えまくって、追求していかなくちゃいけないことを見逃してしまいがちです。
好きなことを追求するのは、本当に努力と工夫が必要なので、そのことを強く書きすぎると、引いちゃう人が多くなるので、著者は「まず行動」を主張したのかなと感じました。
 
あと、全くの個人的な感想ですが、著者の価値観は好きですね。
良くも悪くも、明確な思想と軸をもっているからこそ、ライターとしてエッジのたったレベルの高い仕事が出来るのを感じます。
 
※P162
 悪口ついでに六本木について書いておこう。(中略)「金持ちが好き好んで飲みに行く場所にある会員制のバー」のことだと思えばいい。あれは完全に「カスの吹き溜まり」です。
 
※P181
 「レベル1なのにベギラマが使える」みたいな化け物が現れたなら、もう戦うのを諦めてとっとと逃げた方がいい。
 
※P185
 これについてはもう僕の独断かつ偏見でしかないのだけれど、少しお金が入ったからと言って「見栄」の部分にお金を突っ込むのはアホとしか言いようがない。
(中略)
「一流になるために一流のものを身に着けよう」なんて言う人もいるけど、それを言っている時点で「いかにも二流っぽいな」と思ってしまう。
 
※P187
 ただし、ここで理解をしておいて欲しいのは、その「人脈」の元になるものはすべて自分の「実力」である、という事だ。あなた自身に価値がない限り、誰も貴方に仕事をくれないし、誰も貴方にお金をくれない。
 
 
ユニークな仕事と稼ぎ方をしている(ように見える)著者の「ヨッピー氏」が、本当はどんなことを考え、どのようなアクションをとり、今のポジションに行き着いたのか。また、著者を知らなくても「好きなことをして食べている人」の赤裸々かつ、地に足のついた戦略と考え方を知りたいという方は、役に立つ&楽しめることが多いでしょう。
 
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